訪日外国人向け動画コンテンツ「関ケ原の戦い」制作秘話

2015年から関ケ原グランドデザイン策定委員として、また関ケ原観光大使として関わり続けてきた岐阜・関ケ原古戦場。
史跡に設置された解説看板の英訳をはじめ、小和田哲男先生が監修された「必見!関ケ原」の英訳や岐阜関ケ原古戦場記念館・館内の英語解説文など、さまざま担当させていただきました。その集大成とも言えるのが “Understanding, Battle of Sekigahara “の制作監修です。

岐阜県から僕らに与えられたミッションは「関ケ原の戦い」を5分程度の短い動画を何本か制作し、外国人にもわかりやすく伝えること。
僕にとっては、とてもやりがいのあるミッションでした。こうした外国人向けのコンテンツを制作する場合に気をつけなければならないことは「外国人の知識量でも、十分に理解できる内容に落とし込むこと」です。

・誰が、いつ、何のために…という5Wをわかりやすく整理する
・外国人の知識量に合わせて、丁寧な説明をする
 →徳川家康って誰?戦国時代って、いつ?など
・外国人が興味を持つ「サムライ」たちの生き様や文化に関するエピソードも紹介する
 →日本人とは違う興味やニーズにも焦点をあてる
・シナリオは外国人視点で制作する
 →日本人視点で制作した日本語のシナリオを英訳することはしない
・武将のイラスト、地図など、日本の歴史を感じさせるものを使用する(ゲームやアニメに出てくるような武将のテイストはNG)
 →歴史文化に興味のある外国人の期待を裏切らない

上記のようなポイントをまずはしっかりと整理した上で、作業を進めました。
動画だけではなく、外国人向けのWEBコンテンツや記事を制作するときも同様で、本来は上記のように「外国人」を意識して、制作を行うべきですが、いろいろ見させてもらっても、これらを意識して制作されているものは意外に少ないというのが実情です。

たとえば「関ケ原の戦い」の主要な人物、徳川家康と石田三成も、日本の歴史に精通していない外国人には、彼らが誰であるのかさえ、わかりません。「戦国時代」や「江戸時代」というワードも、日本人なら「戦国時代=1500年代ね」というように、瞬時に理解できるのでしょうが、外国人には、それが700年代のことなのか、1800年代のことなのかさえ、わかりません。こういう視点を忘れて制作されている観光WEBサイトの記事や動画は、本当に多いです。

今回の動画制作にあたっては、どの映像制作会社に依頼するか検討した結果「外国人向けの動画制作」の実績を持つ会社、そして楽しく一緒に仕事ができ、なおかつ世界クオリティの映像が制作できる会社ということで、NHK WORLD「NINJA TRUTH」「CASTLE QUEST」(僕は、ナビゲーターとして出演)で、ご一緒している千代田ラフトさんに依頼。万全の制作チームで撮影にのぞむことができました。このチームなら、さきほど書いた「外国人向けの動画を制作する際の重要なポイント」も、すぐに意図を理解してもらえます。(日本人向けの動画しか制作したことがないチームだと、まずはこの部分の共有だけで、けっこう時間がかかります)

関ケ原古戦場・笹尾山(石田三成陣跡)での撮影
岐阜関ケ原古戦場記念館での撮影
関ケ原古戦場・決戦地での撮影

そして、岐阜県側の担当者のみなさんも、すでに関ケ原古戦場の整備をされていく中で「インバウンド」を常に意識されているので、「外国人視点」という意識が高く、いたってスムーズ。僕らが大切に思っていることや意図をしっかり理解してくださり、信頼して、お任せいただけたことも、良い作品づくりにつながりました。そして、出来上がった動画が、この三本です。

公開後、動画を見た外国人の方々からは
「とても、わかりやすく、興味深い動画だった」「まさに欲しかったのは、こういう動画だ!」と感想をもらいました。
FBを通して交流させていただいているフロリダ大学の原先生からも、お褒めの言葉をいただき、嬉しい限りです。
そして今回の動画は「日本語字幕付き」なので、日本の歴史と英語を一緒に勉強できる学習コンテンツとしてボランティアガイドさんや通訳案内士さん、学生さんにも活用してもらえると嬉しいですね。


そして、こうした動画は制作して終わりではダメ。
岐阜関ケ原古戦場記念館のロビーでも放映はされていますが、タビマエの海外の方々に見ていただけるようプロモーションしていく必要もあります。(Sekigahara と検索する外国人は、まだまだ少ないので、このあたりも工夫が必要です)


30年以上、テレビ、ラジオの業界で仕事をしてきた経験と実績、インバウンド観光アドバイザーとしての視点に加え、今まで勉強、研究してきた日本の歴史文化、特に戦国時代や城の知識をいかせる仕事は本当に楽しく、そして、やりがいを感じました。お世話になった岐阜県のみなさん、ありがとうございました。


2020年度ですべての整備を終えた関ケ原古戦場。
今はコロナで難しいですが、日本の歴史のターニングポイントの一つである、この「関ケ原の戦い」が、世界の人に認知され、海外からもたくさんのゲストが来てくれるを願っています!



“Understanding, Battle of Sekigahara ” 英語で学ぶ「関ケ原の戦い」(日本語字幕)
制作:岐阜県
監修:有限会社パスト・プレゼント・フューチャー(クリス グレン)
出演・ナレーション:クリス グレン
映像制作:株式会社千代田ラフト


TBSラジオ「ONE-J」で彦根城アプリが紹介されました

毎週日曜、朝10時からはZIP-FM「RADIO ORBIT」の生放送。局入りスタンバイは、その1時間前の朝9時です。その前に事務所でする仕事と言えば、
ニュースのチェック、オンエア曲目のチェック、そして「今日は、どんな話をしようかな。」など。でも、先週はちょっと違いました。
なんと、いつものラジオの生放送の前に、もう一本「ラジオの生放送に出る」ことになったんです。それが、この番組。
TBSラジオ「地方創生プログラム ONE-J」。

 

日曜日 08:00-10:00から放送の「地方創生プログラム ONE-J」は、「ラジオにできることとは?」「ラジオが社会に還元できるものは?」JRN(ジャパンラジオネットワーク)加盟の32局が一丸となり、様々な問題を解決するプラットフォームとしての役割を果たすラジオ番組。 最大のテーマは「地方創生」。地方活性化のために日夜、新しい取り組みを行っている人、団体、企業の方々にご出演いただき、日本全国に「明日を前向きに生きていくための元気になるヒント、気づき」を届ける番組です。

 

「地域」の魅力を見つけ、発信するインバウンド観光アドバイザーの仕事(同時にライフワークでもあるけど)と「ラジオを通してリスナーに楽しい時間と元気を届けたい」という思いでラジオDJの仕事をしている僕にとって、この番組に出演させてもらえたことは、本当に光栄でした!

今回、僕は4月にリリースされたばかりのアプリ「体感 国宝彦根城」の監修者として出演し、このアプリ開発のきっかけや内容について、
お話をさせていただきました。今回は電話ではなく、ZOOMで出演。僕は事務所にある甲冑ルームをバックに出演。

画像は、ONE-J の公式twitterから。スタジオとは、こんな感じでトークしてました。

この番組のリスナーの方々からも「彦根城のアプリをダウンロードしました!」「アプリを見たら、彦根城へ行きたくなりました」というメッセージを
たくさんいただきました。ありがとうございました。アプリの解説文や動画を見てから彦根城へ行くと、さらに彦根城が楽しめると思います。
そして、現地へ行ったら「攻城ゲーム」で彦根城の守りの強さを是非、体感してください。

 

アプリの紹介のほかにも、僕が「ラジオDJになったきっかけ」や「好きな城」の話もさせてもらって、とっても楽しかったです。
あっ、パーソナリティの本仮屋ユイカさんと坐間妙子さんからの「ONE-Jって、言ってもらえますか?」というリクエストにこたえて
「ONE-J」って言ったら「きゃーっ!」というリアクションが返ってきたのは、面白かった。実は、そこが一番ウケたかも。
ツイッターでも「クリスにジングルやって欲しい」というリアクションもたくさんあって、嬉しかったです。「いい声ですねー」って、
声はよく褒められるけど、顔は期待はずれで、すいません…(笑)

彦根城のアプリが完成しました

今日は、滋賀県彦根市にある国宝の城、彦根城へ。
令和2年度「文化庁文化財多言語解説整備事業」で制作したアプリ「体感 国宝彦根城」のプレスリリースしてきました。

 

このアプリは「一般社団法人 近江ツーリズムボード」さんと僕の会社「パスト・プレゼント・フューチャー」による共同制作。今回は、欧米豪の「外国人観光客」をメインターゲットとしたアプリなので、日本語から英語に「翻訳」するのではなく「外国人」の知識量やニーズをしっかり考えた上で、「英語」をベースに制作したものを日本語、中国語(簡体字・繁体字)に置き換えていくスタイルで制作しました。←これ、インバウンドがターゲットの場合には、かなり重要なポイント!

もちろん、この「体感 国宝彦根城」は、日本のみなさんにもシッカリ楽しんでもらえる内容に仕上がっているので、ぜひダウンロードしてみてください。このアプリを使って城内を歩けば、彦根城のみどころ、防御の工夫、魅力や素晴らしさを体感してもらえるはず!!

ダウンロード(無料)は、こちらから。
App Store  「体感 国宝彦根城」
 
 
 
彦根城内での記者発表の様子。近江ツーリズムボードの小島さんと。

 

「体感 国宝彦根城」-主な機能-

  • 彦根城の見どころや防御の秘密や工夫を解説動画(10本)で楽しく、学べます。アプリダウンロード後は、どこでも見ることは可能なので、現地を歩きながら、また予習、復習にも活用できます。

  • 城内4地点では「攻城ゲーム」を楽しめます。ぜひ現地で、彦根城攻城の難しさを体感してください。(CGも必見!)*現地でのみ使用可

  • マップ画面から彦根城・彦根城博物館の解説文を読むことができます。

  • ARで、初代彦根藩主・井伊直政公の兜をかぶることができます。

  • 日本語、英語、中文簡体字、中文繁体字の四言語に対応しています。


アプリ監修
有限会社パスト・プレゼント・フューチャー
クリス グレン

彦根城内では、アプリの入ったタブレットの貸し出しもあり。(有料)

ただ歩いているだけの階段にも、実は深く考えられた仕掛けがあったり、何気なく通っているその場所も実は「危険地帯」だったり、「きれいだなぁ」と眺めている天守にも、実は隠された秘密があったり・・・。

なんでもそうですが、知識がある状態でそれを見るのと、何も知らないでそれを見るのとでは、まったく楽しみ方が変わってきます。もちろん、城もそう。城というと「天守」を見ることだけを目的にしてしまいがちですが、実は、もっともっと深く、面白い楽しみ方が、城にはあります。

その楽しみ方を海外から日本を訪れる外国人にも、そして日本のみなさんにも、もっともっと伝えていきたいと思います。日本全国の城のアプリ…つくりたいなぁ。

 

 

通訳ガイド研修 @金沢

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